SYNTAX score(シンタックススコア)
SYNTAX scoreとは?シンタックススコアが作られた背景
冠動脈病変の重症度は罹患病変枝数や左前下行枝近位部の有無によって評価されてきた。しかし、同じ三枝病変であっても重症度に幅があることは臨床現場で認識されていた。
これを受け、冠動脈病変の形態と重症度について、特にPCIを実施する立場から客観点にスコア化したものがSYNTAXスコアである。病変枝数や部位だけでなく、完全閉塞・分岐部・入口部・屈曲・石灰化病変などに応じて点数を付ける。
SYNTAX試験(The Synergy between PCI with Taxus and Cardiac Surgery)
SYNTAXスコアを用いて左主幹部・三枝病変に対するPCIとバイパス手術(CABG)の優劣を比較した。
→三枝病変・LMTに対してはCABGの方がベターという結果
PCI、あるいはCABGのいずれも実施可能と判断された。1800例のLMT、三枝病変症例に対し、治療直後から1年間の予後を比較。一次エンドポイントは死亡・心筋梗塞・脳梗塞・再血行再建術の複合エンドポイントとして認定された。
→PCIで17.8% > CABGで12.4% (TVRが多かったため)
CABGではSYNTAXスコアに関係なく心イベント(10.9〜14.7%)が発生しているのに対し、PCIでは低スコア(22以下)・中等度スコア(23〜32)・高スコア(33以上)となるにつれて、心イベントも13.6%、16.7%、23.4%と有意に上昇する点に注目である。特にDM症例の高スコア群の死亡率はPCIで13.5%、CABGで4.1%であり、PCIで約10%も高い
SYNTAXスコア(アルゴリズム)
下記の項目からスコアが計算される仕組みになっている。
- Number & location of lesions
- Dominance
- Total occlusion
- Trifurcation
- Bifurcation
- Aorto ostial
- Sever tortuosity
- Length>20mm
- Calcification
- Thrombus
- Diffuse disease / small vessels
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