エゼチミブ(製品名:ゼチーア)

エゼチミブとは、脂質異常症の治療薬で、MSD株式会社が製造するゼチーア(Zetia)という製品。コレステロール値を下げる薬として、広く使用されているスタチン系薬剤とは作用機序が異なる薬である。

脂質異常症とは?コレステロール値はどのくらい?

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年では、空腹時採血で下記の数値を脂質異常症と定めている。

エゼチミブの作用機序

適応は高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、ホモ接合体性シトステロール血症。

肝臓でのコレステロール合成を抑制するスタチン系薬剤とは異なり、食事から得られるコレステロールや肝臓から分泌される胆汁酸(コレステロールから作られる)を小腸で吸収するのを抑制することで、血中コレステロールを減らす効果がある。小腸壁の細胞には小腸コレステロールトランスポーターというコレステロールの吸収に働くタンパク質があり、この小腸コレステロールトランスポーターの働きを阻害することで吸収を54%低下させると報告されている。

腸肝循環とは?

生体物質や化学物質が肝臓→小腸→肝臓というように、肝臓と小腸の間を胆汁とともに循環する仕組み。肝臓で生成される胆汁は、成人で600-1200ml/日分泌され、胆管を通って胆嚢で蓄えられ濃縮される。次に十二指腸に分泌され、小腸で再吸収/排泄され、栄養素を吸収した血液は門脈を通ってまた肝臓に戻る。

この腸肝循環の仕組みにより、エゼチミブは小腸で長時間作用するため1日1回投与が可能となっている。

■免責事項
当サイトは、循環器医療に関して管理人の経験・調査に基づいた情報を掲載しています。当サイトの情報を用いて行う一切の行為、被った損害・損失に対しては、一切の責任を負いかねますので予めご了承下さい。

循環器疾患

虚血性心疾患と不整脈

循環器疾患に関連する病気

SHDの種類と治療

末梢血管疾患

PCI(冠動脈インターベンション)

PCIに関する基礎知識

PCIにおける画像診断

PCIで使用するデバイス

PCIの治療法と合併症

循環器疾患の薬物療法