負荷心筋シンチグラフィ

負荷心筋シンチ(シンチグラフィ)とは、心筋細胞の状態から心臓の機能を調べる検査である。血流だけでなく、代謝、交感神経機能を調べることも可能。

シンチグラフィとは、放射性同位元素(ラジオアイソトープ)で標識された薬剤を体内に投与し、放出される放射線をガンマカメラで撮影、画像化することによって、薬剤の分布を調べる検査。心臓だけでなく、他の様々な臓器の血流、代謝などについて調べることが可能で、それぞれ使用する薬剤が異なる。RI(radioisotope)検査、核医学検査とも呼ばれる。

負荷心筋シンチとは

運動をすると心筋細胞はより酸素を必要とし、そのため血流がより必要となる。狭窄があると、十分な血流がないため息苦しさや胸痛が起こる。虚血状態(心臓に負荷がかかった状態)と同じ状況にするために、運動や薬によって負荷をかけ、その状態で血流を反映する薬を注射してどのくらい心筋細胞に血流が保たれているかをガンマカメラで撮像する。

次に安静時状態で同じ薬を注射して心筋細胞の血流状態を見る。負荷時と安静時の画像を比較することでその差をみる。撮像は30分を2回。検査前は4時間前から絶食、水分摂取は可能。安静時に欠損が見られる場合は心筋梗塞と診断される。

運動負荷法と薬剤負荷法

運動負荷法では、自転車エルゴメーターを使用し、運動可能のピークと思われるとき、または胸痛が出現したとき、有意な心電図変化が見られたときに心筋血流製剤を静注し1分間運動を継続して終了する。

薬剤負荷法では、心筋血流製剤であるアデノシン、ジピリダモール静注により虚血状態を作り、血流状態を調べる方法。

心筋血流製剤とは?

放射性医薬品で血管を広げて血流を良くする薬。201TICI(塩化タリウム)、99mTc-tetrofosmin(テトロホスミン)。血流にのって心筋に取り込まれる。

撮影に使用される装置、SPECTとPETの違い

SPECTはsingle photon emission CTの略で、複数の検出器が回転しながら断層撮影を行う。PETはpositron emission tomographyの略で、リング状の検出器で様々な角度から放射線を検出することが可能。SPECTと異なり同時計測なのでより正確に計測することができる。PET検査ではポジトロンという薬剤を使用する。

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