サムスカ(トルバプタン)

トルバプタンとは?

バソプレシンV2受容体阻害薬。心不全の薬であり、肝硬変にも使う。心不全:心臓のポンプの働きが弱くなり、全身へ血液を上手く送れなくなり、臓器に水がたまることで浮腫が起こる。

肝硬変:ウイルス性(B型・C型)、アルコール、非アルコール性脂肪性肝炎などによって肝臓が傷つき、それを修復するためにできる「線維(コラーゲン)」というタンパク質が増加して肝臓全体に拡がった状態。肝臓全体がゴツゴツして岩のように硬くなり機能が低下する。

その結果、アルブミン(タンパク質)の合成が少なくなり、血液中のタンパク質が減るため浸透圧の関係で水分が血液中からそれぞれの細胞へ移行しやすくなり、むくみ、おなかに水が溜まる。

作用と効果

腎臓に作用して尿量を増やし、体内の余分な水分を排泄することにより、体のむくみをとる。通常、他の利尿薬が効かない場合に併用する。腎臓で濾過された水分は、尿管にある集合管にて血管へ再吸収される。

集合管に存在し、再吸収に関わるバソプレシンV2受容体を阻害することで水分を吸収されず尿量を増やす従来の利尿薬は水を排泄すると共にナトリウムやカリウムまで排泄するものであったため、低ナトリウム血症や低カリウム血症の副作用があった。また、降圧作用によりめまいやふらつきも引き起こす。

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