慢性腎臓病(CKD: Coronary Kidney Disease)

CKDとは

たんぱく尿が出るといった腎障害や、腎機能の低下が3ヶ月以上続いている状態を言う。初期症状は特になく、むくみや貧血、倦怠感、息切れ等の症状を自覚するころにはかなり進行している場合が多い。高血圧や糖尿病、高コレステロール症といった生活習慣病と大きく関係しており、脳卒中や心筋梗塞のリスクファクターとなっている。

腎臓の働きとは

腎臓はにぎりこぶし程度の大きさで、腰のあたり左右に2個あり、様々な働きを持っている。

1.血液を濾過して、老廃物を体内から出す

腎臓はネフロンという糸球体と尿細管で構成された基礎単位が約100万個集まってできている。このネフロンが体に必要なもの(水分、ミネラル)を再吸収し、老廃物や塩分を尿として体外へ出している。

2.血圧を調整する

塩分と水分の排出量を調整することで、血圧を上げたり下げたりしている。高血圧は腎臓に負担をかけるので、腎機能が低下する原因になる。

3.血液をつくるホルモンを分泌する

骨髄にある細胞が、腎臓から分泌されるホルモンの働きで赤血球が作られるため、腎機能が低下すると血液が十分に作られず貧血になる。

4.体液の量やイオンバランスを調整する

腎臓の働きでナトリウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルを体内に取り込み、イオンバランスを保っているが、これが崩れると倦怠感やめまいなどが起こる。体液量の調整がうまくいかないとむくみの症状で現れる。

5.骨を健康に保つ

健康な骨に必要なカルシウムを吸収するために必要な活性型ビタミンDは腎臓で作られている。腎臓の働きが悪くなると、この活性型ビタミンDが少なくなりカルシウムが吸収されなくなる。よって骨が弱くなってしまう。

CKDのステージ

CKDはステージ1〜5に分けられ、その指標となるのが推算糸球体濾過量(eGFR)である。これは、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示す指標で、値が低い程働きが悪いということになる。

eGFRは血清クレアチニン値と年齢、性別から計算される。血清クレアチニンとは、血液中にある老廃物の一種で、本来であれば尿へ排泄されるが、腎臓の機能の低下により血液中に溜まっていってしまう。この値が高いと、血液中の老廃物が多いということになり、腎機能が低下していると判断できる。

ステージ1: eGFR 90〜 正常
ステージ2: eGFR 60-89 軽度の腎機能低下
ステージ3: eGFR 30-59 中等度の腎機能低下
ステージ4: eGFR 15-29 高度の腎機能低下
ステージ5: eGFR 15未満 末期腎不全

CKDが進行すると、末期腎不全になり体内から老廃物を出すことができなくなる。透析や移植が必要になる。また、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが高まる。

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