FFR(心筋血流予備量比)による虚血評価は有用か?

FFRとはFractional Flow Reserve の略で、心臓に血液を供給するための冠動脈の虚血の程度を評価する方法の1つ。虚血の評価には解剖学的評価と機能的評価とがある。解剖学的評価法は冠動脈造影やIVUS、OCTなどで、FFRや負荷心筋シンチは機能的評価法に分類される。冠血流予備量比とも言う。

FFRとは?評価方法とカットオフ値

狭窄病変により、病変遠位部の血流量が正常時の何%になっているか?=血流の圧較差を測定する。FFRの測定には、先端に冠動脈圧を測定するセンサーが付いたプレッシャーワイヤーを使用する。

FFR=Pd/Pa
*Pa: 大動脈圧 *Pd: 狭窄病変遠位部の冠内圧

ATP(アデホス)を投与して、血管を最大限拡張してから測定する(最大血流)

<カットオフ値>
0.75以下…心筋虚血→PCI
0.75〜0.80…病院による(グレーゾーンと呼ばれる)
0.8以上…虚血ではない→薬物療法

※血圧や脈拍に影響する疾患(大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全)がある場合、正確なFFRを測定することは難しい

iFR(instantaneous Flow Reserve)とは?FFRとの違いは?

冠動脈狭窄の血行力学的重症度を血管拡張薬を使用せずに血管内圧のみで評価した指標。PCIを行うかどうか判断基準となるカットオフ値は0.89。FFR値との相関性も課題となる。Volcano社(ボルケーノ)の製品がある。

CFR (冠血流予備量比)とは?

運動時にどれくらい冠血流を増加させられるか?を測定する。 CFRが2.0以下だと運動時に心筋虚血障害が起こりやすい。

CFR=安静時の熱稀釈曲線の平均通過時間/最大充血時の熱稀釈曲線の平均通過時間

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