糖尿病治療薬

低血糖のリスクが低い、インクレチン関連薬と言われるGLP-1受容体作動薬(注射)とDPP-4阻害薬(経口)の他、SGLT-2阻害薬について説明する。

GLP-1とは?

食事をとると小腸から分泌され、インスリンの分泌を促進する働きを持つインクレチンというホルモンがあり、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)がそれにあたる。このGLP-1が膵臓のランゲルハンス島のβ細胞表面にあるGLP-1の受容体にくっつき、インスリンを分泌させる。GLP-1は血糖値が高いときにのみ、インスリンを分泌させる働きがある

DPP-4阻害薬の作用機序

DPP-4はGLP-1を分解してしまう(=インスリン分泌を阻害する)酵素である。このDPP-4の働きを阻害してインスリンの働きを強めるのがDPP-4阻害薬。GLP-1は血糖値が高いときだけ作用するものなので、過度にインスリンの働きを強めることがなく、低血糖を起こしにくく使い易い薬と言われている。

2014年現在使用可能なDPP-4阻害薬は、アログリプチン(ネシーナ・武田薬品工業)、テネリグリプチン(テネリア・第一三共)、シタグリプチン(ジャヌビア・MSD)、リナグリプチン(トラゼンタ・ベーリンガーインゲルハイム)、ビルダクリプチン(エクア・ノバルティスファーマ)、アナグリプチン(スイニー・興和創薬)、サキサグリプチン(オングリザ・協和発酵キリン)などがある。

注目の薬「SGLT-2阻害薬」

SGLT=sodium glucose cotransporterのことで、ナトリウム・グルコース共役輸送体と呼ばれるタンパク質の一種である。体内でグルコース(ブドウ糖)やナトリウムといった栄養分を細胞内に取り込む役割を担っている。SGLT-2は腎臓の近位尿細管に限定的に存在している。近位尿細管では、血液中から必要なものを体内に取り込み、不要なものを尿として出している。近位尿細管で再吸収されるグルコースのうち、90%がSGLT-2の働きによるもの。どのSGLT-2の働きを阻害して、血液中の余分な糖分を尿として体外に出してしまうのがSGLT-2阻害薬である。インスリンの作用に関係がないため、低血糖を起こしにくい。

低血糖はなぜ危ない?

インスリン治療や経口血糖降下薬処方を受けている人が、食事を抜いたり激しい運動をしたりすると、薬が効きすぎて血糖値が下がりすぎてしまう(インスリンが過剰な状態になる)。薬の量を間違えたり、インスリンを多く打ちすぎた場合も同じ症状が出る。通常、血糖値が70mg/dL以下の状態を低血糖と言う。

低血糖の症状は、血糖値が70mg/dLで空腹感・あくび・悪心、50mg/dLで無気力・倦怠感・計算力の低下、40mg/dLで発汗・動悸・震え・顔面蒼白・紅潮、30mg/dLで意識消失・異常行動、20mg/dLでけいれん、昏睡とされ、最悪の場合は死に至ることもある。

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